『大人のDSミステリー いづみ事件ファイル 潮騒編』は、ミステリー雑誌の編集者である主人公が取材先で遭遇する殺人事件の真相を暴いていく本格推理アドベンチャー。2007年10月11日にインターチャネル・ホロンからニンテンドーDSで発売され、携帯電話向けアプリとして圧倒的な人気を博したシリーズが、大幅なパワーアップを遂げて家庭用ゲーム機へ初登場しました。
物語の主人公は、ミステリー専門誌の編集部員である木戸いづみです。彼女は幻のミステリー作家・沢野いづみを捜すため、潮の香りが漂う港町へと足を運びます。しかし、取材の途中で凄惨な殺人事件に直面し、持ち前の好奇心と鋭い洞察力で事件の調査に乗り出すことになります。情緒豊かな旅先の風景描写と、二転三転するドラマチックなストーリー展開が、大人の鑑賞に堪えうる厚みのあるミステリーを形作っています。
ゲームシステムは、聞き込みや現場検証を行って証拠を集める「捜査パート」と、得られた情報を整理して犯人を追い詰める「解決パート」を軸に進行します。本作の大きな特徴は、モバイル版から定評のあったロジカルなパズル的要素です。集めた証拠品や証言の矛盾を突きつけ、論理の糸を解きほぐしていく過程は、プレイヤー自身が名探偵になったかのような知的な快感を提供します。
ニンテンドーDSへの移植に際し、2画面を活用したインターフェースが採用されました。上画面に状況や証拠品のデータを表示し、下画面のタッチパネルで直感的に聞き込みや移動を行うことができます。また、重要な情報を即座に記録できる「捜査メモ」機能や、DS版独自の追加シナリオも収録されており、モバイル版をプレイ済みのユーザーでも新鮮な驚きを持って事件の全容を追うことが可能です。
全体的な雰囲気は、往年の火曜サスペンス劇場を彷彿とさせる、どこか懐かしくも緊張感のある仕上がりとなっています。派手なアクションや特殊能力に頼るのではなく、あくまで地道な捜査と論理的な思考で真実に迫るスタイルが、多くのミステリーファンから高く評価されました。携帯機の利便性を活かし、いつでもどこでも上質なサスペンスに没入できる、推理アドベンチャーの佳作といえる一作です。
『大人のDSミステリー いづみ事件ファイル 潮騒編』は、ジー・モードが展開していた携帯電話向け推理ゲーム『いづみ事件ファイル』シリーズを原作としています。ドラマ性を重視したシナリオと本格的な謎解きが評判を呼び、携帯アプリにおけるアドベンチャーゲームの地位を確立した作品です。













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