『そろばんDS』は、ニンテンドーDSのタッチパネルをそろばんに見立て、いつでもどこでも珠算の練習ができる本格的なそろばんトレーニングソフトです。2007年7月12日にフォーウィンズからニンテンドーDSで発売されました。本作は「社団法人 全国珠算教育連盟(全珠連)」の推薦を受けており、DS初となる電子そろばんソフトとして、学習塾や自宅学習の補助教材という位置づけでリリースされました。
最大の特徴は、読み上げ算機能が搭載されている点です。通常、読み上げ算の練習には問題を読み上げるパートナーが必要ですが、本作ではDSが音声で数字を読み上げてくれるため、一人でも耳と指を連動させる高度なトレーニングが可能になっています。読み上げの速度や桁数、声の性別なども細かく設定でき、自分のレベルに合わせた練習環境を構築できます。もちろん、タッチペンで画面上の珠を弾いて計算するモードや、フラッシュ暗算、検定試験の模擬問題なども収録されており、ストイックに計算力を鍛えることができます。
しかし、肝心の「そろばん操作」に関しては、ハードウェアの限界に直面しています。タッチパネル上の小さな珠をペン先で弾く操作は、実物のそろばんが持つ「指先に吸い付くような操作感」や「複数指での高速入力」には到底及びません。そのため、上級者ほど操作のもどかしさにストレスを感じる傾向があります。あくまで「そろばんがない時の代用品」や「読み上げ算プレイヤー」として割り切って使う分には優秀ですが、これ一本でそろばんの技術を完全に習得するのは難しいというのが実情です。
ゲームで計算脳を温めた後は、やはり本物の珠を弾く感触を確かめたくなります。指先で珠を弾く「パチパチ」という音や、ご破算(リセット)を一瞬で行う「ワンタッチ機能」の爽快感は、デジタル画面では決して再現できません。計算力を物理的なスキルとして定着させるためにも、信頼できる職人が作った本物のそろばんを相棒にすることをお勧めします。













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