『ルーンファクトリー -新牧場物語-』は、2006年8月24日に株式会社マーベラスインタラクティブよりニンテンドーDS専用ソフトとして発売されたファンタジー生活ゲームです。「牧場物語」シリーズ10周年記念作品として登場し、従来の牧場生活シミュレーションにダンジョン探索やモンスターとの戦闘といったRPG要素を融合させた「新牧場物語」の第1弾として位置づけられています。プレイヤーは記憶を失い行き倒れていた青年ラグナとなり、辺境の町カルディアで助けてくれた少女ミストの提案により、牧場を経営しながら自分の記憶と世界の謎を追う冒険に出発します。
物語は、人間とモンスターが共存するファンタジー世界を舞台に、すべての生命の源である「ルーン」を巡る事件を通じて描かれます。プレイヤーは荒れ果てた牧場をクワで耕して作物を育て、収穫物を出荷して生活費を稼ぐという堅実な生活を基盤としつつ、剣や魔法を装備して危険なダンジョンへと挑みます。町の人々との交流や恋愛、結婚といった生活要素も充実しており、ファンタジー世界での日常と非日常がシームレスに繋がっている点が大きな特徴です。季節ごとに開催されるお祭りや、住人からの依頼を通じて、町の一員としての絆が深められていきます。
本作では、従来のシリーズにはなかった「モンスターを仲間にする」という独自の機能が実装されています。ダンジョンで遭遇したモンスターは、ブラシで手入れをしたりアイテムを与えたりすることで手懐けることができ、牧場の「モンスター小屋」で飼育が可能です。仲間にしたモンスターは、畑の水やりや収穫といった農作業を手伝ってくれるほか、騎乗して移動手段にしたり、冒険のパートナーとして一緒に戦ったりすることができます。農耕によって生み出されるルーンが主人公の能力を回復させるため、牧場経営が冒険の成功に直結する相互関係が築かれています。
本作は「牧場物語」シリーズから派生したオリジナル作品であり、「ルーンファクトリー」シリーズの第1作目として誕生しました。従来の牧場シミュレーションの基礎システムを継承しつつ、剣と魔法の世界観やアクションRPGの要素を取り入れて再構築されています。本作の成功により、後にナンバリングタイトルや据え置き機向け作品が多数制作され、独立した人気シリーズとして確立されました。













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