『怪盗ルソー』は、2006年にニンテンドーDS専用ソフトとして登場した変装アドベンチャーゲームです。バンダイナムコゲームスが手がけた本作は、漫画のようなテンポで物語が進行する独自の演出と、タッチペンで顔を描いて変装するという斬新なシステムが話題を呼びました。発売後は「小学三年生」などで短編漫画が掲載されるなど、メディア展開も行われました。

プレイヤーは小学5年生の少年・海藤流想として、正義の怪盗「ルソー」となり、事件の謎を解きながら悪を暴いていきます。変装は、見本の顔を模写することで成立し、描いた絵の完成度によって展開が分岐します。変装が見破られるとゲームオーバーになることもあり、緊張感のあるプレイが求められます。自由変装や落書きも可能で、遊び心を刺激する仕掛けも豊富です。

物語は3話構成で、各話に複数の章が存在します。事件の調査、アイテムの使用、キャラクターとの会話などを通じてストーリーが進行し、章ごとにセーブが可能です。難易度設定やコマ送りの速度調整もでき、プレイヤーの好みに合わせたプレイスタイルが選べます。登場人物には、ヒロインのセーヌや伝説の怪盗ミリオンマスクなど個性豊かなキャラクターが揃い、物語に深みを与えています。

本作はニンテンドーDSのタッチスクリーンと2画面表示を最大限に活用し、絵を描く楽しさと漫画的なテンポを融合させた新感覚のアドベンチャーゲームです。変装というユニークなテーマを軸に、子供から大人まで幅広い層が楽しめる作品として、今なお記憶に残る一本です。

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