『大正メビウスライン PORTABLE』は、架空の大正時代を舞台に、異能の力を持つ若者たちの過酷な運命を描くボーイズラブ・アドベンチャー。2012年にPC向けとして発売され、その緻密な世界観と重厚なシナリオで高い評価を獲得したタイトルのコンシューマー移植版として世に送り出されました。

物語の舞台は、軍事国家として世界と争う日本。大病を患った幼少期から「死霊」が見えるようになってしまった主人公・柊京一郎が、大学進学のために帝都へ上京するところから物語が幕を開けます。彼の特別な力に目をつけた大日本帝國陸軍と、その陰謀を阻止しようとする者たちとの対立に巻き込まれ、京一郎は帝都の闇に渦巻く凄惨な呪術戦に身を投じていきます。

ゲームはテキストの選択肢によって物語が分岐していく王道のノベル形式。PSP版への移植にあたり、PC版ではサブキャラクターであった「伊勢馨・薫」兄弟のルートを中心とした新規シナリオやイベントCGが大幅に追加されています。また、原作スタッフの書き下ろしによるエンディング後の後日談ショートストーリーなども収録されており、それぞれのキャラクターが抱える思惑や過去をより深く掘り下げる構成になっています。

PC版の過激な表現を抑えつつ、新規エピソードやCGを大幅に追加して世界観を広げた移植タイトル。プレイにはPSP本体とメモリースティックが必要です。現在ではパッケージ版の流通量が減少していますが、後にPS VitaやSwitchなどにも移植されたことでシリーズとしての知名度を上げています。

シナリオ担当の中条ローザ氏が手掛ける、重厚で血生臭い大正浪漫の世界観が最大の魅力。単なる恋愛劇にとどまらず、軍部の暗躍、死霊術、呪術といったオカルト要素が複雑に絡み合うダークファンタジーとして圧倒的な読み応えを誇ります。軍服や和服に身を包んだ美麗なキャラクターたちが、それぞれの信念のために命を懸けて激しい剣劇を繰り広げ、過酷な運命の中で次第に惹かれ合っていく展開が好奇心を大いにくすぐります。

図説 日本刀

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