進学校である瑞穂野学園の「探偵部」に集う、一癖ある部員たちが学園内の不可解な事件に挑むミステリーアドベンチャー『たんていぶ THE DETECTIVE CLUB』シリーズ。2011年8月から11月にかけて、PlayStation Portable向けに4ヶ月連続でリリースされた連作形式の作品です。プレイヤーは平凡な高校生・伊波健一となり、自称名探偵の部長や幽霊の少女といった個性的なメンバーと共に、全4巻を通して学園の裏側に隠された巨大な謎へと迫ります。
シリーズ第1巻『探偵と幽霊と怪盗と』では、学園に予告状を送りつける「怪盗サファイア」との対決を軸に、探偵部の結成と主要メンバーの紹介が描かれます。続く第2巻『暗号と密室と怪人と』では、演劇部への脅迫状や密室殺人未遂事件といった本格的なシチュエーションが登場。第3巻『廃部と絵画と怪人と』は、探偵部の存続を賭けた戦いと、呪われた絵画を巡る不可解な現象がテーマとなります。最終巻『失踪と反撃と大結末』では、これまでの伏線が一気に回収され、部員の失踪事件から学園全体を揺るがす陰謀の真相が暴かれる構成です。
ゲームシステムは、聞き込みや調査で得た「キーワード」を組み合わせて真相を導き出す「ロジックドライブ」が最大の特徴。画面上のスロットに適切な証拠品や言葉をはめ込み、論理の連鎖を完成させることで推理を進行させます。キャラクター同士の掛け合いは軽快で、全編フルボイス(主人公除く)によるアニメのようなテンポ感が魅力。一方で、推理の難易度自体は低めに設定されており、パズルの手応えよりも、vanilla氏によるスタイリッシュなビジュアルとドラマチックなストーリー展開を重視した作りになっています。
本作はゲームブランド「テクスト。」の主要スタッフが手掛けた完全オリジナルタイトルです。シナリオを大槻涼樹氏、キャラクター原案をvanilla氏が担当しており、同スタッフによるPCゲーム『蠅声の王』などと世界観を共有する設定が随所に盛り込まれています。ゲームの枠を超え、後にドラマCDやアンソロジーコミックといった多角的なメディア展開が行われたのは、部員一人ひとりのキャラクター性が極めて高く評価された結果と言えます。
学園探偵部の賑やかな空気感や、vanilla氏の描く洗練されたビジュアルをより深く楽しむためには、公式の設定資料集や関連コミックをチェックするのが最適。ゲーム本編では語りきれなかった部員たちのプロフィールや開発初期のデザイン、美麗なイベントグラフィックの数々を紙媒体でじっくり堪能することで、作品の世界観を多角的に捉えることができます。物語の軌跡を網羅した資料を手元に置き、彼らが過ごした特別な放課後の記憶を振り返ってみてください。













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