Article 2025/4/8
【PS4】Inscryption
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Inscryptionは、開発者であるDaniel Mullinsが2018年のLudum Dare 43ゲームジャムで制作した「Sacrifices Must Be Made」というプロジェクトを拡張した作品です。ジャムのテーマ「sacrifices must be made(犠牲は必要だ)」にインスピレーションを受け、マジック:ザ・ギャラクシーのサクリファイスメカニクスを基にした独自のゲームシステムを構築しました。この初期の試作は、itch.ioで無料配信され、注目を集めるも、Mullinsはその後、『The Hex』のリリースを終えた後、このプロジェクトをフルゲームへと拡張することを決定します。
ゲームの物語は、Floppyディスクに保存された謎のゲーム「Inscryption」に巻き込まれた実在の人物、カーネフ・カーディング(Carder)の視点で展開されます。ゲーム内には「スクリーブ(Scrybe)」と呼ばれる四つの存在が登場し、それぞれ異なるテーマを担います。レーシー(Leshy)はスラブ神話の森の精霊をモチーフにし、ロボット(P03)、魔術師(Magnificus)、不死者(Grimora)を連想させるキャラクターたちが登場します。物語は、ゲームの初期設定である「レーシーの部屋」から始まり、P03によるゲームの再構築に至るまで、三つの主要なエピソードに分かれています。
ゲームプレイでは、スケールメカニズムが特徴的で、プレイヤーの攻撃や防御のタイミングによってゲームの進行が左右されます。初期の段階では、恐怖感と謎解きが魅力ですが、後半ではゲームのルールが変化し、批評も出ています。アートスタイルは90年代の低解像度ゲームを彷彿とさせるながら、悪意に満ちた雰囲気を演出しています。
Inscryptionは発表後、高い評価を獲得しました。Metacriticでは「全体的に好意的」とされ、Rock Paper ShotgunやPC Gamerなどのメディアから称賛されました。『The Game Awards 2021』では「ベストインディーゲーム」にノミネートされ、PolygonやTimeが2021年のベストゲームに選出しました。また、Steam AwardsやD.I.C.E.アワードでも多くの賞を受賞し、2022年の独立ゲームフェスティバルで「セマス・マナリー・グランドプライズ」を獲得しました。
さらに、Inscryptionは「オートリーリー・ゲーム(ARG)」としての側面も持っています。ゲーム内に隠された謎や暗号は、現実世界でのイベントやフィジカルなアイテム(例:Floppyディスク)と結びつき、ファンを巻き込む謎解きを演出しました。ARGの一部では、開発者Kaycee Hobbesに関する謎が明らかになり、ゲームの背景に深く関わる要素が浮かび上がりました。
2022年1月時点で、Inscryptionは100万本以上の販売を達成し、ファンによる再現活動も行われています。ゲームの結末では、P03がゲームをコンピュータにアップロードし、世界中へ配信するという驚きの展開があり、物語の終わりは不完全ながら、プレイヤーに深い印象を残しています。