セガサターン版『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』は、1997年12月4日にエルフより発売された移植作品で、1996年にPC-98向けに登場したオリジナル版をベースに、家庭用ゲーム機向けに調整されたバージョンです。ジャンルは「SFアドベンチャー」で、プレイヤーは高校生・有馬たくやとして、父の遺した謎の装置「リフレクターデバイス」を手に、並列世界を旅しながら真実を追い求めていきます。

セガサターン版では、PC-98版にはなかったキャラクターボイスの追加や、CD-ROM3枚組による大容量化によって演出面が強化され、より没入感のある体験が可能になりました。また、当時の家庭用ゲーム機向けとしては珍しく、倫理的な描写を抑えつつも、原作の重厚なストーリーや複雑な分岐構造はそのままに、プレイヤーの選択によって物語が大きく変化するマルチエンディング形式が採用されています。

ゲームシステムには「A.D.M.S(オート分岐マッピング・システム)」が搭載されており、プレイヤーが辿った選択肢や分岐がマップとして可視化されることで、複雑なルート構造を把握しやすくなっています。これにより、並列世界を自由に行き来しながら、物語の全貌に迫る探索型のプレイが可能です。