『ICO』は、2001年12月6日にソニー・コンピュータエンタテインメントよりPlayStation 2向けに発売されたアクションアドベンチャーゲームで、シリーズ初代にあたる作品です。角の生えた少年イコを操作し、言葉の通じない少女ヨルダと手を取り合いながら古城からの脱出を目指すという独自のゲーム性が特徴です。後にPlayStation 3向けにHDリマスター版が発売され、より高精細な映像で再体験できるようになりました。

本作は、セリフや説明を極力排したミニマルな演出と、幻想的なビジュアル、環境音を中心とした静謐なサウンドデザインによって、プレイヤーに深い没入感を与えます。ヨルダとの手つなぎ操作がゲームの核となっており、彼女を守りながら進むことで、自然と感情移入が促される構造になっています。

また、戦闘や謎解きのバランスも絶妙で、アクション性と思考性が融合したプレイ体験が楽しめます。国内外で高い評価を受け、後の『ワンダと巨像』や『人喰いの大鷲トリコ』へと続く“上田文人作品”の礎を築いたタイトルとして、ゲーム史に名を刻んでいます。