『裏技麻雀〜これって天和ってやつかい〜』は、昭和30年代の場末の雀荘を舞台に、積み込みやすり替えといった「イカサマ(裏技)」を駆使して勝利をもぎ取る、アンダーグラウンドな麻雀アクションゲーム。2000年6月29日にスパイクからプレイステーションで発売され、運ではなく「技術」で配牌を操作するという、麻雀漫画の世界をリアルに再現した異色作です。

本作は、単に麻雀を打つだけではなく、対局中にリアルタイムでイカサマ技を発動させるアクション性が最大の特徴です。プレイヤーは洗牌時の「積み込み」に始まり、手牌と山を入れ替える「ぶっこ抜き」、果ては山ごとすり替える大技「ツバメ返し」などをコマンド入力で実行します。ただし、これらの行為にはリスクが伴い、対戦相手に見破られると「イカサマ発覚」となり厳しいペナルティを受けます。逆に、相手も同様にイカサマを仕掛けてくるため、怪しい挙動を察知して「看破」する洞察力も求められます。

ストーリーモードでは、各地の雀荘を渡り歩き、個性豊かな玄人(バイニン)たちと勝負を繰り広げます。「相手をハコにする」「特定の役で上がる」といったクリア条件が設定されており、普通に打っていては勝てない状況を、裏技を駆使して打破していくパズル的な攻略要素も持ち合わせています。

『裏技麻雀〜これって天和ってやつかい〜』は、麻雀における不正行為「イカサマ」そのものをゲームの主題にしています。阿佐田哲也の小説『麻雀放浪記』に代表されるような、昭和の賭け麻雀や玄人(バイニン)たちの世界観をオマージュしています。

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