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2026/3/25

【DS】

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ゲーム情報

タイトルこまねこDS
ジャンルこまニャケーション
パブリッシャーGenterprise
発売日2008年07月24日
対応ハードニンテンドーDS
レーティングCERO A
提供形態中古ショップ等で探しましょう
特徴極端なボリューム不足にもかかわらず6,090円という強気な価格設定で流通した結果、発売直後から中古価格が暴落した。現在でも中古市場のワゴンセールにおいて数百円で取引される常連ソフトとして記録されている。
『こまねこDS』は、1コマずつ人形を動かして制作される精巧なストップモーション・アニメーションを題材としながら、その映像の根幹である「豊かな動き」をシステム側から徹底的に排除している。プレイヤーは絵本の世界で主人公のネコ「こまちゃん」らと7日間を過ごすという目的を与えられ、タッチペンでキャラクターをつついたり、アイテムをプレゼントしたりする「こまニャケーション」と呼ばれる作業を要求される。
しかし、同ハードの『ニンテンドックス』等のペットコミュニケーションゲームと比較して、キャラクターのリアクションが物理的に極端に少ないという事実が当時の検証で報告されている。タッチペンでキャラクターに触れても、画面が引きの構図になり、薄く笑みを浮かべるか、項垂れるだけの極めてパターンの少ない挙動が返されるのみである。本来のアニメ作品が持つ滑らかで多様な動きはDSのモニター上には存在せず、プレイヤーは無機質な数パターンの反応を引き出すために、ひたすら液晶画面を叩き続けるという労働を強いられる。
さらに、写真撮影やお裁縫といったミニゲームが実装されているものの、いずれも極めて単調な仕様で構成されている。ゲーム内での7日間のサイクルは数時間で消化可能であり、プレイヤーに対して脳への刺激を与えない平坦な進行が連続するため、「プレイ開始数分で猛烈な睡魔に襲われる」という物理的な催眠効果が当時の購入者間で共有された。携帯アプリと同等のボリュームでありながら、大作RPGと肩を並べる6,090円というフルプライスで販売された事実が、該当ソフトウェアの特異な仕様をさらに際立たせている。
ニンテンドーDSの普及期には、「タッチスクリーンでキャラクターと触れ合う」というギミックを実装するだけで、あらゆるIPがゲームソフトとしてパッケージングされるビジネスモデルが展開されていた。発売元のGenterpriseは当時、ニッチな題材を特異なシステムで市場に連続投入しており、該当ソフトウェアもその体制のもとで製造されたものである。「1日に数秒分しか撮影できない」という膨大な労力をかけて作られたコマ撮りアニメーションのIPを使用しながら、ゲーム内では徹底してアニメーションの枚数を削減し、数パターンの引き絵だけでコミュニケーションを成立させるという仕様は、当時のキャラクターゲームにおける予算と開発期間の制約を物質的に示している。プレイヤーの期待と原作の特性を無視し、ただ「DSのタッチ機能」というフォーマットに素材を流し込んだだけの時代の痕跡である。

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