Article 2026/3/26
【DS】おしゃれな仔犬DS
game-list
『おしゃれな仔犬DS』は、愛らしい仔犬の育成とファッションを題材としながら、その生活のすべてを乱数処理に委ねるすごろく地獄である。プレイヤーは8種類の犬種からペットを選択し、350種類以上の服やアクセサリーで着飾るという目的を与えられる。しかし、ゲーム内の経済活動と移動手段はすべて「散歩という名目のすごろく」によって制御されており、プレイヤーは任意の場所に移動することができない。日々のエサを買うためのショップにすら自由に立ち寄ることができず、すべてはサイコロの出目によって決定される。
当時の購入者や検証コミュニティで最大の不満点として記録されたのは、着せ替えゲームという前提を根底から破壊する「グラフィックの非反映」である。すごろくの乱数に耐え抜き、苦労して特定の帽子やサングラスを入手して着せ替えても、メインとなる室内画面では一部の服しか反映されず、仔犬はほぼ初期状態のグラフィックのまま配置される。「おしゃれ」というタイトルを冠しながら、システム側はプレイヤーのコーディネート情報を室内画面の描画データから完全に除外しており、女児向けの着せ替えツールとして致命的な欠陥が実機上で提示される。
さらに、ペットの生命維持すらも乱数に依存する仕様が稼働している。エサが尽きたためショップへ買いに行こうとしても、すごろくの出目が合わなければ店に止まることができず、犬はアイテムを入手できるまでひたすら空腹の状態で放置される。また、特定の服を入手できる「スペシャルマス」に止まる確率も極端に低く設定されており、プレイヤーは仔犬の愛らしい仕草を観察するのではなく、「無表情ですごろくのサイコロを振り続け、目当てのマスに止まらなければリセットする」という単純作業をエンディングまで要求される。
ニンテンドーDSの市場拡大期において、開発元のエム・ティー・オーは動物を題材とした女児向けタイトルを多数製造していた。該当ソフトウェアは、ゲームボーイアドバンス時代に発売された『おしゃれワンコ』のシステムをDSのフォーマットにそのまま移植した企画である。しかし、ハードウェアが移行したにもかかわらず、「服のグラフィックが特定の画面でしか反映されない」という前作の不具合レベルの仕様をそのまま引き継いで市場に投入された。ペットの命とファッションをすごろくの乱数で決定し、苦労して手に入れた服の描画を省略するという構造は、対象年齢である女児の期待を無視して開発コストの削減を優先した当時のキャラクターゲームの物質的な証拠である。